コナコーヒーとは
ハワイ島の西側のコナ地区で栽培されるアラビカ種のコーヒーだけが、ハワイコナコーヒーと呼ばれ、そのグリーンコーヒー生産量は約1,000トンと、生産量が少ないため希少価値の高い、最高品質の豆として世界的にも有名です。
コナコーヒーの主な栽培品種は「アラビカ種ティピカ」といい、蝋状の青みがかかった緑色の大粒の豆は、焙煎すると柔らかな酸味と滑らかな口当たりを楽しめるコーヒーになります。コナ地区は、火山性の肥沃な土壌でコーヒーの木に必要な栄養分がすべて蓄えられており、昼と夜の寒暖差など、コーヒー栽培には理想的な条件が揃っています。

しかし、1828年サミュエル牧師が、ハワイ島コナ地区の自宅庭にボギ農園から持ち帰ったコーヒーの挿し木を鑑賞用に植えたところ、コナの気候がコーヒーに合ったのか、木は瞬く間に生長し、僅か数年の内にコナ一帯でコーヒーを植えることが流行り、やがてこの地域の基幹産業に発展していきました。

コーヒーの木は1月〜5月頃真っ白な花を咲かせ、まるで農園一帯に雪が降ったかのように見えることから、コナの雪「コナスノー」と呼ばれています。 しかし、花の命は短く、2〜3日のうちには茶色くなってきてしまいます。その後、緑色の実を結び、やがて真っ赤に色づきコーヒーチェリーと呼ばれるようになるころから、完熟した豆だけを人の手によって、ひとつぶひとつぶ大切に摘み取られ、その日のうちに精製工場へと出荷されます。コーヒーの収穫期は9月~翌年2月までの6ヶ月間です。

等級分けされた生豆は、ハワイ州農務局で厳しく品質チェックされます。格付けされた通りの等級かどうかを品質検査官が調べ、合格したコーヒー豆に対してのみ、詰められた麻袋ごとに、等級・コード番号などが記された「品質証明書」が発行されます。麻袋には品質証明書と同じコード番号入りラベルが付けられており、輸出後もラベルと品質証明書を照合することで、生産履歴をさかのぼることが出来るというわけです。

これより浅めの焙煎では、コナ本来の爽やかな酸味が鋭い舌に刺さる酸味になってしまい、これより深い焙煎では、コーヒーの苦味が強調されコナコーヒーがもつ特有のボディが消えてしまいます。焙煎技師は常に同じ焙煎をするために細心の注意を払っています。

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